【感想】クジラアタマの王様/伊坂幸太郎(ネタバレなし)

2023年12月02日 更新日:2023年12月04日



クジラアタマの王様




この小説の作者は伊坂幸太郎さんで2019年に単行本が出版されました。


筆者によると、長年書きたかったけど書けなかった、そんなテーマに挑戦したそうです。


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なぜこの本を読んだのか


単純に表紙とタイトルで興味を持ちました。


日常生活の中に非日常体験が少しずつ現れる。

そんな藤子・F・不二雄(ドラえもんの作者)作品のような物語が好きで、よく読んでいます。


この本を見たときにそんな内容の予感がしたため、購入しました。

実際に少し大規模なものの、雰囲気は私の好みに合致していました。


おすすめな人


  • 謎解きが好き(ミステリー小説ではないです)
  • アクションシーンが好き
  • ゲームが好き
  • 少し不思議な世界観を楽しみたい


あらすじ(序盤のみ)


主人公の岸は歴史あるお菓子会社の社員で、お客様サポートの電話対応に追われる日々を送っていた。


ある日、会社の新商品が人気ダンスグループのメンバーである小沢ヒジリに紹介される。

これを境に売れ行きが絶好調となった。

しかし、その新商品に関する理不尽なクレームがSNSに拡散されて会社存続の危機となる。


会社の記者会見の後、そのクレームは池野内という都議会議員の妻による嘘であることが判明した。


その後、謝罪に来た池野内議員は夢の中で主人公に会ったことがあると言う。

そして夢の中での戦いの結果が現実に影響を及ぼすと言った。


主人公は信じていなかったが、のちに起こるいくつもの出来事によってその真実味が増してゆく。


主人公たちはどのようにその事件を解決するのか。

そして、夢の真相とは。


感想


まずこの本を開いたときに、「???」という気持ちになりました。

この本では一番最初に数ページ程度の短いマンガが描かれています。

文章は無く、絵は物語であることは分かるが、何が言いたいのか初めは分かりませんでした。


その後も何度もマンガが差し込まれているページがあります。

中盤から後半になると少しずつマンガの謎が解けていきます。

そして、全貌が明らかになったときには「なるほど!」と驚きました。


次に、アクションシーンが面白かったです。

小説でアクションの場面があるのは珍しいのではないでしょうか?

アクションシーンでも心情を細かく描写することで登場人物の想いを分かりやすく読み取れます。

やはり小説では映画やアニメよりも心情の描写に長けているので、テレビを見るのとは違った楽しみ方ができました。


最後に、「物事を好転させるためには自分自身が行動しなくてはならない」ということがこの物語の主題なのではないかと思いました。


確かに私の人生を振り返っても、行動した時には成功するし(失敗することもあるけど)、行動できなかったときはほぼ確実に失敗していました。

この本の主人公だってそうです。

行動なしにして成功はあり得ない、ということですね。


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