覚悟は決めるものではなく決まるものだ/「覚悟の論理」石丸伸二

2024年09月02日 更新日:2024年09月02日



イラスト

最近話題の石丸伸二さんの書いた本です。


2024年7月、東京都知事選挙が行われました。

その立候補者の一人、石丸伸二さんの著書である「覚悟の論理」という本を読んでみました。

彼の市長時代の議会や記者会見、都知事選での演説を聞いて、「この人なら世の中を変えてくれそう」と思った人も少なくないと思います。


しかしながら、彼の過激な言動や傍若無人にも見える行動には私も含めて疑問の声も聞こえてきます。

この本を読むとタイトルの「覚悟の論理」だけでなく、彼がなぜそのような行動に至ったかを知ることができます。


この本の印税の著者分はすべて彼の地元である安芸高田市の収入になるそうです。

しかし、安芸高田市がその権利を拒否しているとのうわさがあります。

石丸さんはこの状況が続けば出版を停止するということを言っていたので、読むなら急いだほうがいいです!


著者について


今や有名人ですが、簡単に石丸伸二さんについて紹介します。


広島県の安芸高田市出身で、京都大学経済学部を卒業しています。

その後、2006年に三菱UFJ銀行へ入行、経済を分析、予測するアナリストとして勤務していました。

そして、為替アナリストとしてニューヨークに駐在となり、アメリカ大陸の主要9か国で活動していました。


2020年7月、地元で起きた事件をきっかけに安芸高田市長に立候補し、当選。


2024年6月に安芸高田市長を辞職し、東京都知事選挙に立候補しました。

2位で落選しましたが、事前の予想を凌駕する票を獲得しました。


要約と感想


覚悟とは


「覚悟」は多くの場合、情熱的な文脈で使われます。

しかし彼は、「覚悟とは、極めて冷静に決まっていくものだ」と言います。

そして、覚悟が決まっている人こそ、自分の思い描く自分に近づくことができ、人生を満喫できるのです。


確かに、魅力的な人こそ行動に一貫性があると気付かされました。

逆に私のように毎日適当に生きている人は、本当にしたいこともできていないように思います。(うすうす気が付いていたけどね)

この違いは、「何としてもこれをする!」という覚悟の有無なのだと思いました。

行動力の無い、そして人生が楽しめていない人こそ覚悟が決まっていく方法を学ぶメリットが大きいと思います。


覚悟が決まる論理


まず、理想の自分を定義することが第一歩です。

今の自分と理想の自分を切り離し、理想の自分だったらどうするのかを客観的に考えてみると良いです。

そして、ありたい方向へ向かって合理的な選択をし続けることが大切です。


しかしながら、私たちは自分だけで生きていける人はほとんどいません。

私たちは人との関係性の中で生きています。

理想の自分が人との接点を持たないならば気にする必要はないですが、そうでないならば自分がどのような立場であるかを理解することも重要になります。

そして、周りが自分に期待している役割を果たすことが大事です。


石丸さんはメディアを通じて、議会やメディアの現状、そして安芸高田市の財政状況を市民に知らせるという役割を自身に課していました。

なのでテレビやYouTubeでは厳しく切り取られた映像を見ることが多いと思います。


一方で、市民に良いサービスを提供するという役割もあります。

市役所の長として職員を委縮させては市民のためになりません。

なので、市役所内ではメディアでの姿とは全く違う姿を見せていたそうです。

また、市長という立場だからこのような態度をとることを選択していますが、ほかの職業になったとしたら、理想に近づくために戦略的に立ち振る舞いを考えると言っています。


その他にも「対立を恐れない」「変革を起こす」という軸で覚悟の決まり方が書かれています。

そして、「戦略的に突き進む」というテーマで実践的な考え方を説明しています。


最後に


この本では覚悟はどのように決まるのか、彼の市政の経験をもとに分かりやすく説明されていました。

その内容はとても普遍的で、誰でも実践できるように思います。


普遍的というと「普通なら買う価値がないな」と思われるかもしれませんが、そうではありません。

人間、誰もが持っていた純粋な気持ち、当たり前の精神を実践できるように書いてあるのがこの本だと思います。


たとえば、自分が良いと思った提案を受け入れてもらうためには、論理的に何が良いかを説明することが大切ですよね?

しかし相手が別の提案をしてきたら、本当はそうは思っていなくても相手との関係が悪くなることを恐れて、自分が主張できなくなってしまうことがあるかもしれません。

つまり、正論が言えなくなってしまっているのです。

けれども実際は正論を言って対立してこそ議論が生まれ、正しい方向へ物事が進みます。


正論を言った方が良いなんて、誰でも心の奥では分かっていると思います。

しかし世間とのしがらみが邪魔をして言えない。


この本を読めばそういう迷いを晴らすことができると思います。


石丸伸二さんの「覚悟の論理」は、相手との関係や自分自身との対話の中で、真に重要なことに向き合い、正しい道を選ぶ力を与えてくれるでしょう。

日々の生活で自分の進むべき道に迷っている方、あるべき姿を追い求める方にとって、この本は必読です。

相手を、集団を、そして自分自身をあるべき方向へ進ませる力をつけるきっかけになれるような本だと思いました。

あなたも、ぜひその一歩を踏み出してみてください。


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