【研究室】配属から大学院進学までの流れ

2025年02月22日 更新日:2025年02月22日


大学生

研究室に配属してから卒論提出までの1年半、たくさんの経験をすることができました。B3、B4の人々に研究室選びや生活の参考にしてもらえると嬉しいです。


自己紹介


私は薬学部に所属する大学4年生で、今年2025年3月に卒業することになっています。


外に出かけるよりも家で本を読んだり、ゲームをする方が好きな性格で、友達も少ない方だと思います。


薬学部なのに4年生で卒業?と思った方もいるかもしれません。

私は6年制の薬学部に入学したのですが、薬剤師になるために学ぶ内容が私には合っていないと感じ、4年制の学科に転学科しました。


タイトルには「研究室配属から」と書きましたが、大学入学から語っていこうと思います。

その方が私の思考の流れが分かりやすいと思います。

研究室でどのような生活を送るのか、イメージが膨らめば幸いです。


1~3年春


私が入学した2021年はちょうどコロナ禍真っ最中でした。

子どものころから薬剤師になりたいと思い薬学部に入学しましたが、大学受験をしている間にうっすらと「自分には向いていないんじゃないか?」と考えるようになります。

大学入学後も、そんな思いを抱きながら1,2年生の期間を過ごしました。


なので1年生の間、授業はほとんどオンライン、大学には週1~2回しか通っていませんでした。

サークルにも所属せず、ぐうたら生活を送っていました。

今思うと、この時間がある期間に何かの活動をしておけばよかったと感じています。

プログラミングの勉強はコツコツやっていたのですが、時間があるのだからもっと大規模なプロジェクトだってできたと思います。あとはTOEIC受験しておけばよかったかな。

ちなみに、プログラミングを勉強していて役立った経験は1度もないです。

相当好きか目的がある場合は勉強していいと思いますが、そうでないならば他の事に時間を費やした方が良いと思います。


2年生になると対面授業が解禁され、実習も本格化してきました。

医療系学部の方は分かってもらえると思いますが、1日のほとんどが授業と実習でスケジュールが埋まってしまいます。

実習は内心面倒くさいと感じながらも、平均以上の出来だったと思います。

しかしながら、大学の講義から得られることはなかったように思います。

意味がないと感じながらもギリギリで単位を取得していきました(いくつかは落としましたが、翌年回収できました汗)。

授業と実習を行ったり来たりしている間に、いつになったら使うのかも分からない国家試験のための勉強には嫌気が差し、研究室で実験をしていたほうが自分にも社会にとっても良いと思い、転学科を決意しました。

そして2年生冬、転学科試験に合格し、4年制学科の仲間入りを果たしました。


当時授業は大嫌いだったのですが、有機系の授業だけは面白く、ちゃんと勉強もしていたので有機系の研究室を志望していました。

研究室の説明会では、「この人についていけば成長できる!」と思えるような教授と出会い、その研究室に配属しました。


3年夏~4年12月


8月


研究室所属前に1か月の夏休みでした。

教授「教科書(1000ページ以上ある)夏休み中に全て読んで理解しといてね」

ぼく「え???」

みたいなやり取りがありました。

結局半分くらいしか終わりませんでしたが、まあ無駄ではなかったと思います。


9月


このころは言われたことすらできていませんでした。

助教「この実験はどういう結果になったの?」

ぼく「TLCがこうだから…成功してるかもしれないし失敗してるかもしれないです(?)…」

助教「それ何も言ってないのと同じだよね?ちゃんと勉強した?」

ぼく「…」


私が無能すぎて助教との関係が微妙な感じになってしまいました。

それと、コミュ障&人見知りのせいで研究室内に居場所がない…

実験は真面目に取り組んでいましたが、それ以外では図書室にこもって時間をつぶしていました。

頑張ろう!という気持ちで来たのに何をしているんだと自分が嫌になっていました。


10月~12月


だんだんと実験に慣れ、普通に話せる人も増えてきました。

真面目にやっていれば研究室の先輩も話しかけてくれるので、人見知りこそ実験をしよう!

論文も少しずつ読んで、今後どのような実験をしていけばよいかを理解してきた段階です。


1月


初めての研究報告がありました。

毎週1回、研究室内発表会があり始めて自分の番が回ってきました。

教授からは意外なことに高評価でうれしかったです。

しかし、1年後に後輩の研究報告を聞くことになりますが結構ツッコミどころがあって、私も結構めちゃくちゃなことを言っていた可能性があります。

おそらく、今までの実験内容を堂々と発表で来た点が良かったのだと自己分析しています。


また、先輩たちが卒論や修論を執筆していました。

卒論執筆は相当大変そうにしていたそうですが、私は周りの様子にあまりにも興味を示していなかったので、全く気が付きませんでした。

この時期に、もっと先輩に卒論までにしといた方が良いことを聞いとけばよかったと思っています。


私からのアドバイスはこの後書いてあるので、最後まで読んでね。


2月~3月


世間は春休みなのに…と思いながら実験をしていました。

教授いわく、研究を志向する学生は全国どこを探しても休んでる人はいないらしいです(本当か?)。

この時くらいからは、教授に指示されなくても実験内容を考えられるようになったと思います。


4月~7月


ついに4年生になりました。

が、やることは変わらずただ実験をするだけです。

そろそろ成果が欲しいと思い始めますが、そんなにうまくいくはずもなく。


7月には院試前の研究報告がありました。

あまり研究成果が出ていないながらも、何とか乗り切りました。

やはり、自分の研究テーマや実験を一つ一つ理解することが大切だと思いました。


8月


院試休みでした。

2,3年生のころに授業を理解していなかったため、苦労しました。

教科書をすべて読み直し、過去問を解いて勉強しました。


試験本番ではあまり出来が良くないと感じましたが、無事合格できて良かったです。

しかし、蓋を開けてみればほとんどの人が合格していたので、こんなに死ぬ気で頑張らなくて良かったかも。

以前、助教との関係性が微妙と書きましたが、このころでは院試の過去問をチャットで質問できるくらいまでは回復しています。

教授は自分の知識を人に伝えることが好きな人が多いので、質問して嫌な顔をされることは意外とないと思います。

分からないことは勇気をもって質問したほうが良いですよ!(院試に限らず)


9月


強烈な後輩の配属が決まりました。

上手くやれるかなと思いましたが、意外と仲良くやれています。

強烈だけどコミュ力は高いので、接しやすくはありました。


10月~11月


座学の重要性に気が付きました。

このころから先輩にお願いして、研究に関する知識を教えてもらうようになりました。


それ以外のイベントはあまりなく、毎日普通に実験をしてました。


12月~1月


とうとう卒論執筆の時期となりました。

今まであやふやだった先行研究についての論文を読み漁り、今までの実験結果をまとめるという作業をしました。


この時期には卒論を執筆するだけではなく、卒論にのせるための足りないデータを集めることもします。

なので意外と実験量が多いです。

さらに、データをまとめる際には科学的な用語を用いなくてはなりません。

これが個人的には一番難しかったです。

英語の論文を読むことがあっても、日本語の書籍を読むことはあまりなかったので、どんな言い回しをしたらよいのかが分からなかったです。

12月から書き始めた卒論は担当教員に何度も添削してもらい、1月中旬に最終的なものに仕上がりました。


この時期の実験量も多いですが、補足的なデータ収集という側面が大きいと思います。

なので、卒論執筆前までの実験量がクオリティに直結します。

最低限、やれと言われた実験は日ごろからこなしておくことをお勧めします。

また、大学の図書館には膨大な日本語の書籍が蔵書されています。

時々でいいので、読んでおいた方が良いと思いました。

また、科学誌も読んでみると意外と面白いので、余裕があったら目を通しておきましょう。


また、卒論発表では、研究内容を指定された枚数のスライドにまとめる必要があります。

研究に関わっていない人に分かりやすく伝えることの難しさを痛感しました。

しかし、ピリついている研究室内発表会とは違って、和気あいあいと卒論発表会が行われたため少し拍子抜けしてしまいました。


2月~3月


卒論の提出を終えて一段落ついた状況です。

教授いわくこの時期も毎日実験しなくてはいけないらしいです。

正直、大学生の最後くらいは休みたいので、休み休み実験しています。

あとは、図書館での座学が多いですね(実験は疲れるし)。

4月からは月1回の研究発表となるため、知識と体力を蓄えています。


この1年半の感想


研究室配属前は、いまいち何をする場所なのかイメージが付かなかったですし、この記事を読んでいる皆さんもそうだと思います。

実際には実験系の研究室では、ほとんど毎日実験をする日々が続きます。


毎日毎日同じことをして嫌だと思う日もたまにはありますが、世界で最先端の研究だということを考えるとかなり貴重な体験をしていることが分かると思います。

(学費は払っていますが)研究費を自分の好き勝手に使えるチャンスはこの時期しかないので、その機会を活かすんだというマインドで毎日頑張れました。

また、本気で嫌だという気持ちには今のところはなっていないので、適正はまあまああるのではないかと思います。


しかしながら、座学の時間をあまりとることができなかったので、そこについては悔やまれます。

また、研究以外に費やす時間が極端に少なくなってしまったこともあまりよくないと思います。

私は2つのことに集中することが苦手なので今後の課題だと思います。


博士に進学するつもりはないので、修士のうちに論文が書けるように頑張りたいと思います。



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