【有機化学】光触媒を使ったカルボン酸の還元反応
2025年06月01日
更新日:2025年06月01日

今日は論文紹介をするニャ
今回紹介する論文はこちらです。
Selective reduction of carboxylic acids to aldehydes with hydrosilane via photoredox catalysis
Shouyun Yu, Chengjian Zhu et al. Chem. Commun., 2017, 53, 10228.
DOI: 10.1039/c7cc05570f
どんな論文?
Ir触媒を用いてカルボン酸を還元している論文です。
通常、カルボン酸を直接還元する場合はボランを用います。
しかし、ボランを用いた場合はアルコールまで還元されてしまうため、アルデヒドが欲しい場合はアルコールを再び酸化する必要があります。
また、カルボン酸を酸塩化物に変換したのちに還元してアルデヒドを得る方法もあります。
この報告の画期的なポイントはカルボン酸を還元し、反応がアルデヒドで止まるというところです。
反応条件はこちらになります。
DMDCによってカルボン酸を混合酸無水物に変換後、1電子還元でアシルラジカルが生成します。
その後、TTMSSにより水素移動が起こり、アルデヒドが合成されます。
経口糖尿病薬のレオアグリニドをグラムスケールで合成しています。
ケトンやアミドが反応を阻害しないことがわかります。
まとめ
カルボン酸を還元して、アルデヒドで止まることに驚きました。
なぜアルデヒドは還元されないのでしょうかね?
おそらく酸化還元電位が関係していると思いますが、分かる方がいれば教えてください!
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