【有機化学】酸性度pKaとは?反応性との関係も解説します!【pKa】

2023年08月28日 更新日:2024年02月06日

ドラ猫

今回もウォーレン有機化学を参考にしているニャ

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pKaとは?


酸をAH、その共役塩基をA-と表します。

AHでプロトンが解離する反応式は次のように表せます。


AH ⇄ A-  + H+



Kaを次のように定義します。


Ka = [A-][H+] / [AH]


これは平衡状態の時の各物質の比を表しています。


また、Kaの常用対数をとりマイナスをかけたものをpKaと定義します。

つまり、pKa = -log10Ka と定義されています。


pKaと酸性度


先ほどの定義から、pKaが小さいほど酸が解離しやすいことが分かると思います。




酸の解離しやすさを酸性度といいます。

つまり、pKaが小さいほど酸性度が高いのだと分かります。


pKaの概数値


暗記したほうが良い物質のpKaの一覧です。

よく使うので私は覚えています。


カルボン酸→約5

アルコール→約15

フェノール→約10

水→約15

アミンの共役酸→約10


塩基のpKaは注意!


例えば、「アニリンのpKaは約4.6である。」と書いてある場合があります。

言葉の意味通りだとアニリンからプロトンを引き抜く反応のpKaが4.6という捉え方ができます。

しかしその本当の意味はアニリンの共役酸のpKaは4.6ということです。

塩基のpKaが出たときにはその都度意味を考えるようにしましょう。




pKaとpH


pKaには「酸の50%が解離するときのpH」という2つ目の意味があります。


なので、反応溶液(酸の場合)のpHがpKa以上なら反応は進行するし、pHがpKa未満なら進行しない可能性が高いという予想ができます。

塩基の場合は逆です。


プロトン交換反応


問:次の組み合わせでプロトン交換反応は起こるか?




共役塩基の安定性


この問いを答えるにあたって、共役塩基の安定性を考えます。

基本的に酸は共役塩基の安定性が高いほど酸性度が高くなります。




逆に、強酸であるほど共役塩基は安定であると考えることができます。


解答


(a)

フェノールのpKaは約10、カルボン酸は約5なのでカルボン酸の方が強酸です。

カルボン酸の共役塩基の方が安定であるためプロトン交換をすると考えられます。


(b)

ピリジンの共役酸のpKaは約5.5、トリフルオロ酢酸のpKaは約-1です。

なので、トリフルオロ酢酸の方が強酸であることが分かります。

トリフルオロ酢酸の共役塩基の方が安定なので、プロトン交換は起こらないと考えられます。




このように、プロトンはpKaが小さい方から大きな方へ移動します

この考え方を覚えておくと便利な場面が時々あるので覚えておきましょう!


エステル交換


問:次の組み合わせでエステル交換は起こるか?




解答


先ほどの安定性についての考え方で解くことができます!


フェノールのpKaは約10、プロパノールのpKaは約15です。

したがって、フェノールの共役塩基の安定性が高いことが分かります。


したがって、フェノキシドイオンが脱離することができます。

つまりエステル交換が起こることが分かりました。




最後に


酸性度は共役塩基の安定性と密接に関係していることが分かりました。

難しい項目ですが、化学反応を調べる際に重要な考え方なのでマスターしましょう!


何か間違いやアドバイスなどがありましたら、ぜひX(ツイッター)やメールで教えてください。


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最後までご覧いただきありがとうございました!


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